簿記・仕訳

外貨換算計算の仕訳方法について解説

外貨換算は、簿記3級や2級では出現しない内容です。

1級で初めて出てくる内容ですが、最も基本となる所をまとめてみようと思います。

為替相場の種類

二種類を紹介します。

①直物為替相場

②先物為替相場

実際には他にもいろいろな相場が使われているそうですが、簿記の試験ではこの上の二つが用いられます。

今回は、①の直物為替相場をについてまとめます。

まず直物為替相場ですが、会計処理を行う都合上いくつかの呼び方があります。

1、取引が「発生」したとき

2、「決算時」

3、一定期間(一年や半年)の平均値

1はHR(ヒストリアル レート)

2はCR(カレント レートやクロージング レート)

3はAR(アベレージ レート)

と言ったりもします。

仕訳の起こし方

取引が発生したときの換算は「取引が発生した時の直物為替相場」で換算計算を行います。ものを売った時のドルがいくらなのか。という視点です。

例えば、外国へ商品A(500ドル)を売上輸出するとします。

この時、一ドルが100円だったとしたら、500×100=50,000円となり、

売掛金 50,000 / 売上 50,000

という仕分けになります。一旦はこれで終わりです。

後日、期日が到来し売掛金を「決済」する時がやってきました。

その時の為替はいつの為替を使うかというと、決済する時点での為替となります。仮に一ドル=120円になっていたとしましょう。この時点での商品の値段を円ベースにすると、120円×500ドル=60,000円となります。この60,000を売掛金の決済額として、貸方を現金預金とします。

現金預金 60,000 /

貸方は売掛金50,000をそのままの簿価で記入します。(簿価がポイントです。)

現金預金 60,000 / 売掛金 50,000

この時に、貸借差額で為替差損益という勘定を使用して、貸借のバランスをあわせます。

現金預金 60,000 / 売掛金 50,000

/ 為替差損益 10,000

となります。今回は以上です。